Goettfert社キャピラリーレオメータは、高精度圧力計による正確な粘度測定と成形手法に合わせた豊富なオプションが魅力です。
今回は最新のISO11443:2021の内容を基に、粘度測定における3つのポイントをピックアップして解説致します。
特に測定方式やキャピラリーダイの選定について、荷重計を使った測定やL/Dが大きなダイを使用している場合は注意が必要です。

1. 正確な粘度測定は圧力計方式

粘度の測定方式には圧力計方式と荷重計方式がありますが、最新のISO11442:2021では原則圧力計を用いることになっています。荷重計はやむを得ない場合に限られています。
圧力計を使用する利点は、バレル上部からダイ出口間の各種圧力降下成分の内、バレルとピストン間由来成分を無視できることです。
荷重計を使用した場合、バレルとピストンの摩擦、バレルとピストンの間へのサンプルの漏れとそれによる摩擦などの誤差要因を含み、それらの誤差補正も困難です。
上記理由から、圧力計で測定する方が有利となります。

2. キャピラリーダイの選定

ISO11443:2021ではキャピラリーダイの選定についても細かな記述があります。特にL/Dが大きいダイを使用されている場合は注意が必要です。

  • バーグレー補正を行う場合
    バーグレー補正は真のずり粘度をもとめる際に使用する補正で、ずり粘度のダイ入口の圧力損失をもとめることができます。使用するダイのL/D>20の場合、圧力依存や粘性発熱の影響によりバーグレープロットが下に凸または上に凸となり正確な補正が出来ません。
    L/D=10前後が推奨のダイ形状となります。
  • みかけのずり粘度をもとめる場合
    みかけのずり粘度をもとめる場合、ISO11443:2021では20≧L/D≧16, 入口角:180°が推奨されています。
  • L/Dが小さすぎる場合
    逆にL/Dが小さすぎる場合、スウェルが大きくなりダイに接触する可能性があります。そうなると圧力を過大評価することになります。

3. その他の注意事項

ピストン・バレル・キャピラリーダイの寸法精度について記述があります。特にキャピラリーダイは寸法精度の他にキズや欠けが測定データにも影響します。
その他にも、温度平衡やサンプルの熱劣化、清掃工具の材質についての記述もあり、最新のISOの詳細内容をご確認ください。

ISO11443:2021では今回ピックアップした内容以外にも測定に関して詳細な情報がのっています。現在測定されている機器構成の見直しの機会にご活用ください。
キャピラリーレオメータの購入、更新をお考えでしたらお気軽にお問い合わせください。
測定だけでなく成形性評価などのご相談も承ります。

レオロジー分析機器の販売から保守・受託試験・分析まで。レオ・ラボ株式会社はレオロジーに特化した専門企業です。

お問い合わせは 03-3865-5906 または お問い合わせフォームまでお気軽に。

レオロジー分析機器の販売から保守・受託試験・分析まで。レオ・ラボ株式会社はレオロジーに特化した専門企業です。